日本には日本人さえ知らないような日本の文化や伝統を遠い海外から来日し技術や伝統をしっかりと受け継ぎ何年も時間を投じ頑張ってらっしゃる方がたくさんいます。外国人だからこその面白い切り口で、そして没頭して和の文化に入り込んでいると思うのですが、彼らの努力と苦労ははかりしれません。
今年ご縁があって、木版画職人 David Bull デイビットブルさんの工房兼 ご自宅にお邪魔する事ができました。
イギリス生まれのカナダ人、お父様はサックス奏者だったというお話を聞きました。イギリス人っていうだけでちょっと親近感があるのですが、アーティスト魂のこもったトークはショートステイの取材ではありましたがとても楽しく、為になる時間となりました。
日本画にもまた和紙は必要不可欠ですが、こちらでもピカソの愛用した奉書紙を版画に使用していました。
最高の紙と最高の版、そして刷る技術 があってこそ最高の作品となるのですね~。
江戸時代には版元が企画販売し、絵師が下絵を描き、彫師が木版を彫り、摺師が摺るという工程の流れで版画は刷られていました。しかし、その版画を作るためにはたくさんの職人さん達が携わります。紙を漉く職人、版木を作る職人、彫師、彫刻刀職人、摺師、絵の具を作る人、それぞれに使う道具を作る職人・・・江戸時代ですから当然なのかもしれませんが全ては手作業、そして訓練された特殊な職人さん達がたくさん集結したからこそ最高の作品を作り出せる。
日本画の絶頂期にあった江戸時代。紙やインク、素材なども今では全て同じものを作り出すことは難しいそうです。そして私が思ったブルさんのすごい所は師匠は鈴木晴信と葛飾北斎だそうです。もちろん生存中に弟子入りしたわけではなく、巨匠たちの作品を見て、真似て学習し自分のものとしていったのです。そしていまではアメリカの有名イラストレーターJed Henryさんと一緒に浮世絵ヒーローという作品を作り出し大ヒットされているそうです。
(David Bull Official HP) Nikkei BP日本の伝統を継ぐ外国人たち①